魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
ホワイトストーン王国は…崩壊した瓦礫の下にある。
今も大多数の人々が瓦礫に埋もれたまま、永遠の眠りについている。
大都市だったために復旧作業は思うように進まず、“魔王が残した爪痕”として残されることになった大きな墓碑だ。
馬車はその墓碑となる瓦礫の前で止まり、今も昔も変わらないままの姿で在り続けるホワイトストーン王国を眺めた。
「カイ国王陛下もフィリア女王陛下もこの王国の王とは誼があった。…お前を責めるわけじゃないが、ここを整備するつもりはないか?」
隣に立ったリロイの金の髪が風に揺れてなびく。
コハクも黙ったまま瞳を細めて瓦礫の山を見ていたが、返事を得ようと口を開きかけたのを止めたのは…ラスだった。
「ここはこのままでいいんでしょ?ね、コー。そうだよね?」
「ん、そうだな…ここはこのままでいい。俺自身を戒めるためでもあるし、今さら整備したって生き返るわけでもねえし。このままでいいんだ」
「…別に無理強いするつもりはないし聞いてみたかっただけだ。…あ、ラス…ルゥが…」
「え?あ、ルゥちゃん何してるの?それ…お花?」
ちょっと目を離した隙にラスたちから離れた所で座り込んでいたルゥの足元には、白い花が群生していた。
皆がルゥを取り囲んで花を覗き込むと、ラスは周囲に広がっている草原地帯にも白い花が群生しているのを見つけて微笑む。
「お花畑みたい。きっとここで眠ってる人たちの魂も安らぐと思うの。ねえコー、時々ここに来てお花の種を植えようよ」
「そうだな、そうすっか。……ルゥ、よく見とけよ。お前は狂気に捉われてこんなことしねえようにな」
コハクはルゥを抱っこして指をおしゃぶりしているルゥに瓦礫の山を見せてやった。
ルゥはじっとそれらを見つめた後、コハクを見上げてぎゅっと抱き着く。
慰められた気分になったコハクがはにかむと、今度はラスがコハクの腰にぎゅっと抱き着いて金の髪を風になびかせながら微笑んだ。
そして馬車に乗り込もうとした時――
「あれ…?もしかして…勇者様とお姫様たちなんじゃ…!?」
知っているような声がして振り向くと、そこには羊たちを連れた少年が立っていた。
今も大多数の人々が瓦礫に埋もれたまま、永遠の眠りについている。
大都市だったために復旧作業は思うように進まず、“魔王が残した爪痕”として残されることになった大きな墓碑だ。
馬車はその墓碑となる瓦礫の前で止まり、今も昔も変わらないままの姿で在り続けるホワイトストーン王国を眺めた。
「カイ国王陛下もフィリア女王陛下もこの王国の王とは誼があった。…お前を責めるわけじゃないが、ここを整備するつもりはないか?」
隣に立ったリロイの金の髪が風に揺れてなびく。
コハクも黙ったまま瞳を細めて瓦礫の山を見ていたが、返事を得ようと口を開きかけたのを止めたのは…ラスだった。
「ここはこのままでいいんでしょ?ね、コー。そうだよね?」
「ん、そうだな…ここはこのままでいい。俺自身を戒めるためでもあるし、今さら整備したって生き返るわけでもねえし。このままでいいんだ」
「…別に無理強いするつもりはないし聞いてみたかっただけだ。…あ、ラス…ルゥが…」
「え?あ、ルゥちゃん何してるの?それ…お花?」
ちょっと目を離した隙にラスたちから離れた所で座り込んでいたルゥの足元には、白い花が群生していた。
皆がルゥを取り囲んで花を覗き込むと、ラスは周囲に広がっている草原地帯にも白い花が群生しているのを見つけて微笑む。
「お花畑みたい。きっとここで眠ってる人たちの魂も安らぐと思うの。ねえコー、時々ここに来てお花の種を植えようよ」
「そうだな、そうすっか。……ルゥ、よく見とけよ。お前は狂気に捉われてこんなことしねえようにな」
コハクはルゥを抱っこして指をおしゃぶりしているルゥに瓦礫の山を見せてやった。
ルゥはじっとそれらを見つめた後、コハクを見上げてぎゅっと抱き着く。
慰められた気分になったコハクがはにかむと、今度はラスがコハクの腰にぎゅっと抱き着いて金の髪を風になびかせながら微笑んだ。
そして馬車に乗り込もうとした時――
「あれ…?もしかして…勇者様とお姫様たちなんじゃ…!?」
知っているような声がして振り向くと、そこには羊たちを連れた少年が立っていた。