魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
そばかすだらけの少年には見覚えがあった。
狼のような魔物がおばあさんを食べて化けていた村に住んでいる男の子だ。
口をあんぐり開けてこちらを見ていたが、ラスが手を振ると喜び勇んで飛んで来た。
「勇者様たちだ!うわあ、また会えるなんて!」
「ジャン…だったよね?うん久し振りだね、元気にしてた?もう魔物は居ない?」
もこもこの羊を見て大興奮したルゥが羊に駆け寄り、ラスも傍に寄って来た子羊の背中を撫でてやりながら問うと、ジャンは大きく頷いてきらきらした瞳でコハクを見上げた。
「真っ黒い勇者様と金色の勇者様が魔物をやっつけてくれたから大丈夫!今からどこに行くの?時間があるならぜひうちの村に寄って行って下さい!」
「うんわかった。コー、いいよね?」
元々からして寄ってみる予定だったのでコハクが頷くと、ジャンは飛び跳ねて喜びつつコハクそっくりのルゥを見てまたあんぐり。
「赤ちゃんだ!え…お姫様と勇者様の!?」
「うんそうなの。2人目もお腹の中に居るの。あとリロイとティアラも結婚したんだよ。それでね、あとグラースとデスが…」
デスは基本的に馬車に閉じ籠もって出て来ない。
知らない人が居ればなおさらで、ジャンが馬車に目を遣ると外を窺っていたデスと目が合い、すぐに見えなくなった。
「この人もお腹が大きいんだね。うちの村で休んで行ってよ!」
活発なジャンは口笛を吹いて羊たちを呼び寄せると、手を振って先に村の方へ駆けて行った。
「あーうー」
「ルゥちゃんまたすぐ会えるから。コー、行こ。みんな元気みたいで良かったよね」
「そだな、あの狼野郎がチビを食っちまった時はほんっとキレたぜ。…あー思い出しただけでムカついてきた!」
いらいら足踏みをしているコハクの背中を押して馬車に乗り込ませると、膝を抱えて座っていたデスの隣に座ったラスは頭を撫でてやりながら顔を覗き込んだ。
「次の村は人が少ないし…馬車から出て来れるでしょ?」
「………うん…」
渋々といった返事だったが、ラスはそれを気にせず村に着くまでデスの手をずっと握ってやっていた。
コハクはそれを見てぴりっとしたものの、何も言わずにルゥをあやすことに専念した。
狼のような魔物がおばあさんを食べて化けていた村に住んでいる男の子だ。
口をあんぐり開けてこちらを見ていたが、ラスが手を振ると喜び勇んで飛んで来た。
「勇者様たちだ!うわあ、また会えるなんて!」
「ジャン…だったよね?うん久し振りだね、元気にしてた?もう魔物は居ない?」
もこもこの羊を見て大興奮したルゥが羊に駆け寄り、ラスも傍に寄って来た子羊の背中を撫でてやりながら問うと、ジャンは大きく頷いてきらきらした瞳でコハクを見上げた。
「真っ黒い勇者様と金色の勇者様が魔物をやっつけてくれたから大丈夫!今からどこに行くの?時間があるならぜひうちの村に寄って行って下さい!」
「うんわかった。コー、いいよね?」
元々からして寄ってみる予定だったのでコハクが頷くと、ジャンは飛び跳ねて喜びつつコハクそっくりのルゥを見てまたあんぐり。
「赤ちゃんだ!え…お姫様と勇者様の!?」
「うんそうなの。2人目もお腹の中に居るの。あとリロイとティアラも結婚したんだよ。それでね、あとグラースとデスが…」
デスは基本的に馬車に閉じ籠もって出て来ない。
知らない人が居ればなおさらで、ジャンが馬車に目を遣ると外を窺っていたデスと目が合い、すぐに見えなくなった。
「この人もお腹が大きいんだね。うちの村で休んで行ってよ!」
活発なジャンは口笛を吹いて羊たちを呼び寄せると、手を振って先に村の方へ駆けて行った。
「あーうー」
「ルゥちゃんまたすぐ会えるから。コー、行こ。みんな元気みたいで良かったよね」
「そだな、あの狼野郎がチビを食っちまった時はほんっとキレたぜ。…あー思い出しただけでムカついてきた!」
いらいら足踏みをしているコハクの背中を押して馬車に乗り込ませると、膝を抱えて座っていたデスの隣に座ったラスは頭を撫でてやりながら顔を覗き込んだ。
「次の村は人が少ないし…馬車から出て来れるでしょ?」
「………うん…」
渋々といった返事だったが、ラスはそれを気にせず村に着くまでデスの手をずっと握ってやっていた。
コハクはそれを見てぴりっとしたものの、何も言わずにルゥをあやすことに専念した。