魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
肉のついた指――
白く変化した髪と瞳の色――
黒から白へと変わった死神――
変化したデスは、掌を指で押してみた。
やわらかく返ってくる反応…
じゃり、と砂音がして振り返ると、リロイが瞳を見開いてぽかんとした表情をしていた。
「お前は……デスなのか…?」
「……俺……変わった…?」
「変わったっていうか…髪も目の色も違うし…死神には見えない」
望んでいた姿だ。
死神という責務から解放されて、いつかこの姿になることに憧れていた。
だが今の姿が一瞬で終わってしまうことも同時に知っている。
…ラスが見たら、どう思うだろうか?
コハクが見たら、どう思うだろうか?
墓標の前に立ち尽くしていたデスはおよそ死神には見えない。
ティアラは真っ白になったデスを見て驚くと共に頬を赤らめていた。
元々綺麗に整った顔をしていたが…黒から白に変わっただけで、柔らかみが出て雪の精霊のように見える。
ラスと同様に綺麗な男に滅法弱いティアラがもじもじしていると、デスはティアラの脇をすり抜けて元来た道を戻り始めた。
「どこへ行くんだ?」
「……ラスと…魔王に……見て…もらう…」
あれほど隠したがっていた顔は、フードを払いのけて晒されている。
早く見せないとまたすぐ元の姿に戻ってしまうはずなので、とにかく急いだ。
だが――
「あ……元に…」
追いかけていたリロイが、脚が止まったデスの髪の色が真っ黒に戻ったことに気付いて、背後からぽんと肩を叩いた。
「…いつか常態になれる日が来る。諦めるな」
「…………」
やわらかかった掌は、骨だけのものに戻ってしまった。
またフードを目深に被り直したデスは、羊と戯れているラスとそれを見守っているコハクを見つけてことさら鈍重な足取りで合流した。
「お、戻って来たな。どうだった?」
「…魂…弔って…きた…」
「そっか、お疲れさん」
ぽんと頭を叩かれて少しはにかんだデスは、羊の背中に乗って遊んでいるルゥと身体を支えてやっているラスの姿にふっと息を吐いた。
いつかあの姿を見てもらえることを願って――
白く変化した髪と瞳の色――
黒から白へと変わった死神――
変化したデスは、掌を指で押してみた。
やわらかく返ってくる反応…
じゃり、と砂音がして振り返ると、リロイが瞳を見開いてぽかんとした表情をしていた。
「お前は……デスなのか…?」
「……俺……変わった…?」
「変わったっていうか…髪も目の色も違うし…死神には見えない」
望んでいた姿だ。
死神という責務から解放されて、いつかこの姿になることに憧れていた。
だが今の姿が一瞬で終わってしまうことも同時に知っている。
…ラスが見たら、どう思うだろうか?
コハクが見たら、どう思うだろうか?
墓標の前に立ち尽くしていたデスはおよそ死神には見えない。
ティアラは真っ白になったデスを見て驚くと共に頬を赤らめていた。
元々綺麗に整った顔をしていたが…黒から白に変わっただけで、柔らかみが出て雪の精霊のように見える。
ラスと同様に綺麗な男に滅法弱いティアラがもじもじしていると、デスはティアラの脇をすり抜けて元来た道を戻り始めた。
「どこへ行くんだ?」
「……ラスと…魔王に……見て…もらう…」
あれほど隠したがっていた顔は、フードを払いのけて晒されている。
早く見せないとまたすぐ元の姿に戻ってしまうはずなので、とにかく急いだ。
だが――
「あ……元に…」
追いかけていたリロイが、脚が止まったデスの髪の色が真っ黒に戻ったことに気付いて、背後からぽんと肩を叩いた。
「…いつか常態になれる日が来る。諦めるな」
「…………」
やわらかかった掌は、骨だけのものに戻ってしまった。
またフードを目深に被り直したデスは、羊と戯れているラスとそれを見守っているコハクを見つけてことさら鈍重な足取りで合流した。
「お、戻って来たな。どうだった?」
「…魂…弔って…きた…」
「そっか、お疲れさん」
ぽんと頭を叩かれて少しはにかんだデスは、羊の背中に乗って遊んでいるルゥと身体を支えてやっているラスの姿にふっと息を吐いた。
いつかあの姿を見てもらえることを願って――