魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
再び狼の魔物が居た朱い屋根の家を訪れたコハクは、当時そのままに残されている家を眺めて鼻を鳴らした。
「こんなの残してる意味がわからねえ。見たくもねえものなら俺が今焼いてやろうか?」
「でも庭には一応墓を建ててるからこのままでいいんだ。おばあさんには悪いことしたけど…」
コハクがジャンから話を聞いている間、ラスは墓の前に立ってそこから見える窓に血糊がついているのを見つけた。
魔物の腹の中から救出された時は大雨が降っていて、しかもすぐ家から出されたのでどうなったのか知らなかった。
だがこの血…やはりコハクが魔物を殺したのだとわかったが、それを責めるつもりはない。
コハクは勇者様で、魔物を倒して自分を救ってくれたのだから。
それにあの時負った肩の傷はコハクがすぐに治してくれたので、傷痕もなく済んだ。
「チビが俺から離れなきゃあの息のくっせえ狼に食われることなんかなかったのにさ」
「ごめんなさいコー。でも助けてくれたでしょ?私本当に人間のおばあさんだと思ってたの」
「普通魔物だって気付くだろうが。毛むくじゃらだったしマスクしてたし声も変だったし。チビは大体世間知らず過ぎなんだよなー。ま、そこがいいんだけど」
説教するつもりが結局はのろけになってしまい、ラスがにこにこ笑ってコハクをでれでれさせる。
もう魔物が出ていないとは言え油断をしないリロイは辺りを警戒しつつ、コハクに出発の催促をした。
「そろそろ出よう。長旅はグラースの身体に良くない」
「私なら大丈夫だ。ラスが行きたい所に寄り道していってくれ」
姉のように慕っているグラースの優しい言葉に嬉しくなったラスが抱き着いてコハクをもやもやさせた。
「女だから許してやるけど……おい小僧、お前が同じことしたらぶっ飛ばしてやっからな」
「僕からはしない。ラスがしてくるのは別だ」
「あんだと?」
時々コハクをやりこめるリロイが挑発すると、ティアラは噴き出しながらラスの手を引っ張って来た道を戻り始めた。
「懐かしいわね」
「うんっ。楽しいねっ」
ラスたちがはしゃいでいる姿を見て男たちが頬を緩めながら後を追いかけた。
「こんなの残してる意味がわからねえ。見たくもねえものなら俺が今焼いてやろうか?」
「でも庭には一応墓を建ててるからこのままでいいんだ。おばあさんには悪いことしたけど…」
コハクがジャンから話を聞いている間、ラスは墓の前に立ってそこから見える窓に血糊がついているのを見つけた。
魔物の腹の中から救出された時は大雨が降っていて、しかもすぐ家から出されたのでどうなったのか知らなかった。
だがこの血…やはりコハクが魔物を殺したのだとわかったが、それを責めるつもりはない。
コハクは勇者様で、魔物を倒して自分を救ってくれたのだから。
それにあの時負った肩の傷はコハクがすぐに治してくれたので、傷痕もなく済んだ。
「チビが俺から離れなきゃあの息のくっせえ狼に食われることなんかなかったのにさ」
「ごめんなさいコー。でも助けてくれたでしょ?私本当に人間のおばあさんだと思ってたの」
「普通魔物だって気付くだろうが。毛むくじゃらだったしマスクしてたし声も変だったし。チビは大体世間知らず過ぎなんだよなー。ま、そこがいいんだけど」
説教するつもりが結局はのろけになってしまい、ラスがにこにこ笑ってコハクをでれでれさせる。
もう魔物が出ていないとは言え油断をしないリロイは辺りを警戒しつつ、コハクに出発の催促をした。
「そろそろ出よう。長旅はグラースの身体に良くない」
「私なら大丈夫だ。ラスが行きたい所に寄り道していってくれ」
姉のように慕っているグラースの優しい言葉に嬉しくなったラスが抱き着いてコハクをもやもやさせた。
「女だから許してやるけど……おい小僧、お前が同じことしたらぶっ飛ばしてやっからな」
「僕からはしない。ラスがしてくるのは別だ」
「あんだと?」
時々コハクをやりこめるリロイが挑発すると、ティアラは噴き出しながらラスの手を引っ張って来た道を戻り始めた。
「懐かしいわね」
「うんっ。楽しいねっ」
ラスたちがはしゃいでいる姿を見て男たちが頬を緩めながら後を追いかけた。