魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
「ねえコー、どうして私たちが話してたことを知ってるの?ねえねえ教えて」


「んー、どうしよっかなー」


ラスに構ってもらえて有頂天のコハクは、腕にルゥを抱きつつ腕にラスをぶら下げつつ、宿屋に戻った。

ティアラにリロイのことは大丈夫だからと説明したものの納得した感じではなかったし、ましてや事情を自分の口から話すことも憚られる。

ぺろっと話してもよかったのだがリロイが真剣に原石を捜していることを知っていたので、ベッドに腰掛けたコハクはラスを隣に座らせて肩を抱いた。


「チビと離れてる時はチビに意識を集中してるからなんでもわかるんだ。千里眼使ってるから」


「そうなの?じゃあコーの悪口言ったらすぐばれちゃうんだね」


「そうゆうこと。…なんだよ俺の悪口言うつもりだったのかよ」


「コーの悪口なんて言ったことないもん」


…まさにその通り。

ラスは一度たりともコハクの文句を言ったことがない。

そもそもコハクが過去にしでかしてきた悪行をすんなり受け止めたあたりからして、疑うことも知らない。


ほっとしたコハクはラスの腹に細心の注意を払いながら抱きしめて身体を横たえさせた。


「小僧がさあ、面白いこと思いついたんだ。こればっかりは俺からは言えねえんだけど…きっとチビも喜ぶぞー」


「そうなの?私が?ティアラじゃなくて?」


「ボインもそうだけど、みんなハッピーになれると思う。ま、俺としてはおんなじもんつけるのは抵抗あるけど」


「?」


最後はごにょってにやにやしたコハクの言葉を聞き逃したラスは、コハクの腹の上にまたがって身体を揺さぶった。


これには色ぼけ変態魔王、大コーフン。


「ち、チビ!刺激されると困る!爆発する!」


「教えてよコー!教えてっ」


「も、もうすぐ小僧が帰ってくっから!本人から聞いた方がもっとハッピーになれるって!」



ぷうっと頬を膨らませて抗議してくるラスをなんとか納得させたコハクは、身体を起こしてルゥのおむつをてきぱき替えると窓から空を見上げた。


リロイが探し出してきた原石のような色をした空を。
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