魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
翌朝、いつもはぐっすり眠っている早朝にルゥがぐずって廊下で遊ばせていると、隣室のリロイの部屋のドアが少し開いた。


「あれ?ティアラ?おはよ、早いねどうしたの?」


ティアラとしてはラスがこんな早朝に起きている方が驚いたのだが、きょろきょろあたりを見回してお邪魔虫を捜す。


「おはようラス。…魔王は?」


「コーはまだ寝てるよ。リロイはちゃんと帰ってきた?お話する?」


「ええ、談話室に行きましょう」


少しだけ懐いてくれたルゥが抱っこをせがんできたので、もう結構な重量になるルゥを抱っこしたティアラはラスと一緒に階段を降りて談話室へ行った。


「リロイは夜遅くに帰って来たわ。ラス…これを見て」


ティアラがカーディガンのポケットから取り出した白い箱。

それを見たことのあるラスは、大きな瞳をさらにとびきり大きくさせて驚くと、自身の薬指を見つめた。


「もしかして…もしかして…」


「そう。あなたのと同じものをリロイが作ってくれたの。帰りが遅くなったのは、この石の原石を探していたからですって」


箱を開けてみたラスは、リングの色は違えど石の色は真っ赤なガーネット。

歓声を上げているラスが喜んでくれていることにほっとしたティアラは、リングを薬指に嵌めてラスと見せ合いっこをした。


「おんなじ色だね!わあー、嬉しい!コーったらなんにも教えてくれないから…」


「私…お友達と言える存在はあなただけだったからお揃いのものを持てたらって思ってたの。…私もこれつけていいと思う?」


「当たり前でしょっ?私たち姉妹みたいだねっ。ティアラ、これ大切にしてね。わあー、すごく綺麗!素敵!」


誉めちぎってくれるラスときゃあきゃあ騒いでいると、ラスとルゥの不在にすぐ気付いたコハクが欠伸をしながら階段を降りて来た。


「お、それかー。いい石じゃん。ま、俺が見つけたのよかちっせえけど」


「コー、大きさじゃないよ、こういうのは気持ちなの。すごく綺麗だよね。コーもそう思うでしょ?」


ノーとは言えないラスの押しに苦笑したコハクは、絨毯の上にひっくり返ってうにうにしているルゥをくすぐって可愛い笑い声を上げさせると、こっくり頷いた。
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