金色のネコは海を泳ぐ
「ルーチェ、消す前に願い事をして、1回で火を吹き消すと願い事が叶うんだって」

ジュストはグッと拳を握ってなにやら気合いを入れている。吹き消すのはルーチェなのだけれど……

そんなジュストの横からブリジッタがケーキに蝋燭を立てて火をつけた。

「準備できたー?」
「いいわよ」

アリーチェがリビングの電気を消し、ゆらゆらと揺れる蝋燭の火だけがリビングを照らす。

「せーのっ、Happy Birthday to you――…」

皆がルーチェのために歌いだす。ジュストも練習したのか、きちんと歌えている。

願い事は何にしたらいいのだろう?

やはり、クラドールになれるように……か、それとも――

ルーチェがそこまで考えたとき、歌が最後のラインになる。

そして――

「「Happy Birthday to you」」

パチパチと手を叩く家族の前で、ルーチェは目を瞑って結局『クラドール研修がうまくいきますように』と心の中で唱えた。

だが、目を開けて蝋燭を吹き消す寸前、ジュストがガタッと立ち上がり……

「ルーチェの婿になる!」

と大きな声で叫んだ。
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