週末シンデレラ
「そうだな、どちらかと言えばスカートがいいかもしれない。けど……きみが着るなら、なんでもいい」
「なんでも、ですか」
「あっ、いや。投げやりな意味で言ったんじゃなくて、なんでも素敵に見える、という意味で言ったんだ」
しどろもどろで話す係長の横顔は、耳が赤く、困っているように見えた。
見ていて飽きない。一緒にいると楽しい。
わたしがひとりで嬉しさを噛みしめていると、係長が苦笑する。
「きみはホントによく笑うな」
どうやら、わたしが笑いを堪えていると思ったらしい。
「ごめんなさい」
肩をすくめて謝ると、彼は少し焦りだした。
「いや、べつに怒っているわけじゃなくて……むしろ笑っていてもらえるほうが……。と、とにかく、今日は水族館へ行こうと思うんだけど、どうかな?」
「ふふっ……はい、お願いしますっ」
今度こそ、本当に噴き出して笑ってしまった。