週末シンデレラ
「音と光のファンタジーショー……綺麗だろうなぁ。あ、そのあと十六時からペンギンのショーがある。これも見たいです。だから、順路はこう行って……そうしたら、この実際に触ることができる展示スペースも見られますよ」
案内図を見ながら、係長に説明をする。しかし、彼からはなんの反応もない。
「ダメ……ですか?」
わたしが上目でたずねると、係長は口を押さえてクスクスと笑っていた。
「あ、あの……都筑さん?」
「ダメじゃないよ。カオリさんの見たいところを見ればいい。ただ、やっぱりきみは面白いな、って思っただけなんだ」
「すみません。はしゃぎすぎました」
「いや、気にしないでくれ。つまらないと言われるより、よほどいいから」
「……都筑さん」
係長の表情が、一瞬曇ったように見えて、一也さんの言う“トラウマ”に触れた気がした。
けれど、それ以上どうやって聞けばいいかわからない。
「あと十分でショーが始まる。少しでもいい場所で見たいだろ。行こう」
思いあぐねているうちに、時計を確認した係長に促され、クラゲの水槽へ向かった。