週末シンデレラ
……ま、まさか係長。これを見て、この水族館に?
係長は運転席に乗り込んで、お茶を飲んでいる。隠れてパラリとめくってみると、右上が折られたページが開いた。
そこには予想通り、水族館の紹介が載っている。
係長、わざわざ雑誌で調べてくれたんだ……ていうか、ちょっと……かわいい。
口元がほころんでしまうのを、押さえきれない。
「ぬいぐるみ、適当に置いてくれて構わないけど、大丈夫そうかな?」
「あ、はい。大丈夫ですっ」
雑誌にはもう一つ「夜の部」のページにも折り目があったけれど、それはこれからのお楽しみということで、見ることはやめて、助手席に乗り込んだ。
言われていた通り、一時間くらいで夜ご飯のお店にはついた。和風の店構えは落ち着いた雰囲気があって、居心地が良さそうだ。
「今日は創作和食の店にしてみたんだ。前に聞いたとき、嫌いなものはないって言っていたけど大丈夫かな」
「はい、なんでも食べられます。どんな料理が出るのか楽しみですね」
お腹もすいたし、なにより係長と食べるなら、なんでも美味しく感じる気がする。
わたしの返事を聞いて、係長は目を細めながら、店の中へ入って行った。