週末シンデレラ


「上川くん、お疲れさま。どうしたの?」
「いえ、食堂へ行ったら大久保さんの姿はあったけど、加藤さんがいらっしゃらなくて、電話当番かなぁ……と思って、遊びに来ました」
「遊びに、って……わたしになにか用があるの?」

上川くんに頼まれるような仕事はあったかな……。

考えていると、上川くんは持っていた袋を持ち上げ、小首をかしげた。

「用っていうわけじゃないですけど……ここで、昼飯食べてもいいですか?」
「食堂まで行ったのに、食べて来なかったの?」
「加藤さんがいないのに、食堂でいる意味がないじゃないですか」
「えー、嬉しいこと言ってくれるのねぇ。でも、ホントはわたしと一緒で、仕事が溜まっているんでしょ? それなら、営業部に戻ったほうがいいよ」
「違いますよ。加藤さん、いっつも俺の言うこと、冗談で流すんだから」

上川くんは少し頬を膨らませた。

それから「まぁいいか」と諦めたように呟くと、コンビニの袋を漁りだした。


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