週末シンデレラ
「これ、よかったらどうぞ」
差し出してくれたのはカップに入ったスイーツだった。プリンの上に生クリームがたっぷり乗っていて、さらにその上にはフルーツまで盛られている。
「そんな、もらえないよ」
「もらってください。つい買いすぎちゃったんです。はい、これスプーンですよ」
「あ、ありがとう……」
スプーンとともに強引にデスクへ置かれたので、有り難くいただくことにする。
ちょうど食後のデザートに、甘いものが食べたいと思っていたところだったので、嬉しかった。
「それじゃあ、また食事へ行きましょうね」
「あっ、名刺のお礼、これで……って、行っちゃった」
まだお礼の食事を気にしてくれているなら、このデザートで十分だと言いたかった。
だけど、それを伝える間もなく、上川くんは事務室から出て行ってしまった。
今度会ったときに言おう。ちゃんとお礼をさせてくれって言われそうな気はするけど……。
上川くんの律義さに感心しながら、プリンを頬張る。口の中に広がる甘さで、少しだけ元気になれた気がした。