週末シンデレラ


* * *


土曜日。今日も係長と会う約束をしていた。

気がつけば毎週のように会っている。

メールは二日に一度くらいだけど、男友達というには頻度が高いと思うし、内容も冗談を交えてくれるようになり、砕けたものとなっていった。

わたしが“カオリ”になったからこそ、近づいた距離。

そのことをちゃんと説明すれば、このメイクも格好も、騙していたことも受け入れてくれるかもしれない。

メイクや髪をセットしてもらっている最中、麻子に相談してそう結論がでた。

係長に返事をする前に、正直に話そう。

準備を整え、いつも係長が迎えに来てくれている場所に行くと、彼はすでに待ってくれていた。

前回「付き合ってほしい」と言ったせいか、係長は少し照れくさそうで、なかなか目を合わせてくれない。

「あ、あのっ……都筑さん」

話すなら早めに話したほうがいい。そう思って口を開くと、緊張で顔が強張っていくのを感じた。そんなわたしを見て、係長は表情を曇らせた。


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