週末シンデレラ
九月も下旬となれば、食堂の蒸し暑さはなくなり、快適に過ごせるようになった。だからか、心なしか人が多くなったように思う。
なんとか、奥のほうにふたつ空いている席を見つけ、美穂と向かい合わせに座った。
「今日の係長、すっごい変なんだけど」
腰を下ろした途端、美穂がため息混じりに言った。
胸がドキリと跳ねる。本当は少し、この前のように落ち込んでいてくれることを期待していた。
だけど、ゴミ箱でつまずくこともなければ、ミスをしている様子もない。
だから、完全にわたしのことなんて吹っ切れてしまったのだと思っていたのに。
「変って……どんな風に? わたしにはいつも通り仕事をしているように見えたけど」
「わたしも普通だと思ってたのよ。でも係長が、事務室から出た途端、ドアの前で、風船の空気が抜けたみたいにしゃがみ込みこんでたのっ。わたし、お手洗いから戻るときに見ちゃってさぁ」
「事務室を出た途端……」
わたしが見えないところで落ち込んでいる……とか? でも、そんなわけないよね。
心のどこかで期待してしまう自分を、必死に抑え込む。