聴かせて、天辺の青
昨日の宴会で、河村さんが取り乱してたのは後悔していたから?
だけど後悔したのなら、海斗の車に乗ったりしないはず。二人きりになったら、また同じことになりかねないとわかるはずだし。
以前、スーパーで会った河村さんの旦那さんはとても優しそうだった。仕事の都合で離れているとはいえ、いい家族に映ったのだけど実はどうなんだろう。
「なぁ、確かめたら? アンタなら藤本さんに聞けるんじゃないの?」
いきなり彼に言われて、飲み掛けていた水を零しそうになった。聞きたいとは思うけど、そればかりは私でも抵抗がある。
「は? 私が聞くの? 海斗でもそれは聞きにくいよ……」
「でもさ、不倫なら止めてあげるべきだろ? 誰に聞いても悪いことなんだから……それに傷は浅いうちの方がいいと思う」
彼の言うことももっともだ。
でも私が言っていいことなのか、悩んでしまって決断することはできない。
「わかった、明日聞いてみる。でも……もし、二人がそうだったとしても止めるべき? 私がそこまで口を挟んでいいの?」
「ああ、友達だったら言うべきだと俺は思うけど? 間違ってることは教えてやらないと」
問い掛けたら、彼ははっきりとした口調で答えた。聞いたことない力強さに、私は驚かずにはいられなかった。