本音は君が寝てから
「……えっと、森宮さん、なんか食べた?」
「ええ。同じ物を頂いたのでお腹一杯です」
「じゃあ、この店ももう閉店時間だから場所変えて話そうか」
「あ、そうですね。従業員さん帰ってしまったのに、相本さん残ってくださって」
「アイツはオーナーだから残って当たり前。ああでも、旨かった。……相本、ありがとうな。精算してくれ」
「あーはいはい」
俺の呼びかけに、厨房の方からやってきた相本は、100均で売ってるようなケーキBOXを持ってきて彼女に渡した。
「今日の余った分、良かったらおみやげに持って行ってください」
「えー? いいんですか」
「いいんですよ。捨てるのも勿体無いし、どこぞの連絡も怠るような男に待たされた女性の慰めになれば幸いです」
「こら、相本」
悔しいが事実なので反論出来ない。
言われた通りの金額を払い、彼女の持った箱を見る。
結構大きい箱だから、5個くらいは入ってそうだな。
相本のケーキはマジで旨い。
それが売れ残るってのは勿体無いな。