いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「…確か、十歳になってからは別々に寝なさいって言われたよね?」

「結局いつも、夜中にどっちかが片方の布団に潜り込んでたよな」

「大抵私が寂しくてふゆちゃんのほうに行ってたけど。たまに私が我慢して一人で眠ろうとすると、ふゆちゃんがこっちに来てたよね」

「俺も一人で寝るのは心細かったんだよ。姉ちゃんが横にいないと落ち着かないってのもあったし…」

「うん…私も」

ずっと一緒なのが当たり前だと思っていたから、離れて眠ることなんて考えられなかった。

だから四年前、風弓がいなくなってからは眠れない日が続いて。

毎夜毎晩、父や弟を恋しがっては目を覚まし母の頭を悩ませていた。

ああ――少しずつ、色々なことを思い出す。

それで環境を変えてみようかと母が言ってくれて、炎夏に引っ越すことを決めたんだっけ。

炎夏に来てからは母が働き始めて、代わりに慣れない家事をするのに備えるため、否応なしに寝起きも良くなった。

その点では、両親や弟に頼りきりだった頃より、多少成長は出来たかも知れない。

「…ねえ、ふゆちゃん。私って、昔と変わった?」

「…それって見た目と性格、どっちの話?」

「両方、かな」

よく一卵性のようだと言われてきた自分たちだが、風弓はこの四年のうちに父と体格や仕草が似てきたと思う。

一方で自分はというと、外見は母にそっくりだと度々評されてきた。

しかし陸や京、夕夏はやはり自分と風弓は良く似ていると口々に言う――それが不思議でならない。
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