いとしいこどもたちに祝福を【後編】
すると、父と同じ青灰色をした眼がこちらをじっと見据えた。

「…綺麗になったよ」

「もう、からかってるでしょ」

「いや、本気だよ!子供の頃から姉ちゃんは、俺の自慢の姉ちゃんなんだからな」

「そうなの?」

「そうなの!」

京や夕夏のように強くて頼り甲斐があるならまだしも――自分には他人に誇れる要素など、見出だせないのに。

「でも昔、近所のおばさんに“お姉ちゃんそっくりね”って言われて凄く怒ってたよね…」

「あれは、妹だって勘違いされたからだぜ。大体、母ちゃんも親父も何で俺にこんな女みたいな名前つけたんだ…」

「私は好きだよ?ふゆちゃんの名前」

「そりゃあ、姉ちゃんと合わせた名前は嫌じゃないけど。せめて、もう少し男らしい名前にして欲しかったんだよ…そういう意味じゃ香也も同志だったな」

確かに、香也も名前の響きだけ聴くと少し女の子のようだ。

風弓は月虹にいる間、そんな話をする程度には香也と仲が良かったのだろうか。

「そういえば…陸と香也は月虹にいるときから仲良くなかったの?」

「ああ…うん。香也は誰が相手でも大抵あんな態度なんだけどさ、陸のことは特に見下してるみたいだったな。あの頃の陸は、何に対しても無関心だったからあんま気に留めてなかったみたいだけど」

「…そっか…香也は前に、霊媒師自体も嫌ってるようなこと言ってた。それも関係あるのかな」

「あいつは自分で故郷を出てきたから詳しいことは話さないけど、容姿や能力からして冬霞出身だ。冬霞の魔導士には春雷の霊媒師を敵視する奴が多いからな」

「そうなんだ…」
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