いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「陸にも、ちゃんと言いたいこと言えてないんじゃないか?もっと姉ちゃんのしたいようにしてもいいって、俺は思うんだけど」

「う、ん…」

そう言われても、すぐには何も思い付かない。

陸にだって、自分の言いたいことは言えているつもりなのに。

「…じゃあふゆちゃんは、どう?月虹から出られて、何かやりたいこととか、ないの?」

「俺?」

風弓は考え込むように首を傾けて暫く黙り込んだ。

「そうだな、あったけど……教えない」

「どうして?」

「いや、ものすげー些細なことだし。ほら、そろそろ寝ないと見回りの看護師に叱られるよ」

「ふゆちゃん」

「………」

少し腑に落ちなかったが、風弓が恥ずかしそうにそそくさと話を打ち切ってしまったのでそれ以上は追及しなかった。

「…じゃあ、そっち行ってもいい?」

「あ、ああ。…何か改まって言われると照れるな」

「…お邪魔、します」

部屋の灯りを落として薄暗くなった視界の中、風弓とぶつからないように気をつけながら横になる。

すると風弓は照れ臭いのか、すぐにふいと向こうを向いてしまった。
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