いとしいこどもたちに祝福を【後編】
陸だって、記憶を取り戻したばかりで戸惑っている筈なのに。

『晴に嫌われてないか少し不安だったんだ』

陸は大切だと教えてくれたあの場所で、自身の率直な気持ちを伝えてくれたばかりなのに。

『俺のことを信じられないのも無理ないかも、知れないけど』

そのせいで、陸にあんなこと言わせてしまった。

見合いの話だって、陸はまだ何か言おうとしていたのに――自分は聞こうともせずに逃げてきてしまった。

陸のことを信じていないと疑われても仕方のないことをしてしまった。

――でも、陸が突然あんな強引な行動を取ったのは予想外で、凄く怖かった。

明日になったら早く陸に逢って話をしたいと思う反面、きちんと話し合うことが出来るかとふと不安になる。

陸に逢いたい。

でも、今は陸に逢うのが少し怖い。

けど、まだ自分の気持ちをきちんと伝えていない。

誤解されたまま此処に留まり続けることだけは、絶対にしたくない――


 ・ ・ ・

 
< 160 / 331 >

この作品をシェア

pagetop