いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「しっかし…今日は曇りか、珍しい」

ふと窓の外を眺めた風弓が意外そうに呟いた。

のそりと身を起こした風弓に続いて、晴海も起き上がる。

背後に面していた窓を振り返ると、厚い雲が空一面を覆い隠していた。

「…これから降ってくるのかな」

「どうだろ、今のところ持ってるみたいだけど……姉ちゃん、どした?」

風弓に問われ、自分が思わず顔を顰めていたことに気がつく。

「雨…嫌いなの」

充と風弓がいなくなったあの日は、朝から激しい雨が降っていたから。

強い雨音を耳にすると不安になる。

大切なものを全て、雨が奪っていってしまいそうで。

「…邸に戻るんなら、早めに出たほうが良さそうだな。それとも、暫く此処にいるか?」

風弓は少し怪訝そうな表情を浮かべたが、晴海が雨を嫌う理由を訊いてくることはしなかった。

「ふゆちゃん」

優しい弟の気遣いに、自分は昔からいつも甘えてばかりだ。

いつまでもこうしている訳にはいかない。

「ん?」

「私、戻る。ちゃんと陸と二人で逢って、仲直りしてくる」
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