いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「え…」

陸が、来る。

嬉しさからか気まずさからなのか、ずきりと胸が高鳴った。

「…大丈夫か、姉ちゃん」

心配げな風弓の眼に、つと顔を覗き込まれる。

「う、うんっ、大丈夫」

咄嗟に上げた返事は不自然な程に裏返った。

「…そうか?しかし陸の野郎、昼まで姉ちゃんを待たせる気かよ」

「いいの、本当は今日だって多分忙しいんだよ。なのに迎えに来てくれるんだから、我儘言えないよ」

そう言うと風弓は小さく息を吐いて頷いた。

――そうだ、我儘なんて言えない。

あのとき自分は陸を突き放してしまったのに、此処まで迎えに来てくれるのだから――

「そういや、もうそろそろ朝飯の時間だけど…姉ちゃんはどうする?」

「売店で何か買ってくるよ。もう開いてるよね?」

「あ、あ。今の時間なら多分…待って、俺も一緒に行く」

立ち上がった瞬間、慌てた様子で風弓に制止された。

「一人でも大丈夫。この前より病院の警備、強くなったんでしょ?外には行かないんだし」

「でも…」
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