いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「ふゆちゃんは此処で待ってて。すぐ戻ってくるから」

風弓はまだ納得していなさそうだったが、晴海は急ぎ足で廊下へ出た。

昔から風弓は、やたらと自分に過保護な節がある。

昔はそうでもなかった気がするのに、どうしてあんなに心配するようになったのだろう。

「思い出せない…」

「――やあ、また逢ったね」

ふと顔を上げると、行く手を阻むように立つ人物が声を掛けてきていた。

「…真都、さん?」

「やっぱり此処に来てたんだね」

また、か。

彼は一体、何がしたいのだろう。

蔑視している陸に対する嫌がらせのつもりで、自分に絡んでくるのだろうか。

「…私に何か、用ですか?」

「君を迎えに来たんだ。さ、僕と一緒に行こう」

「え?」

突拍子のない発言に、困惑する。

まさかとは思うが、陸が来れなくなった代わりに来たとでも言うのだろうか?

「あの、何処に…」
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