いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「!それは…」
風弓の手にした真珠を目にした瞬間、陸は眼を見開いた。
「多分、あいつに無理矢理腕を掴まれた弾みで紐が千切れたんだな…あの野郎、姉ちゃんが昔っから大事にしてるものまで壊しやがって…っ」
そして、苦々しげな面立ちで散り散りになった真珠を拾い集める。
「俺が晴を悲しませたから、かな…」
「…は?」
「俺、晴にとても酷いことをしたんだ。それで晴のことを泣かせてしまった」
真珠を一通り拾い終えると、陸はかくんと項垂れた。
「やっぱり、すぐに迎えに来れば良かった。馬鹿だな、俺は」
「なに、を…」
何を言ってる――そう口にし掛けた瞬間、晴海がこの真珠の飾りをいつから腕にしているのか、ふと思い出した。
十年前に春雷から帰ってきたときから、姉は腕につけたそれを大事そうに眺めていたのだ。
『ねえちゃん、それ、どうしたんだ?』
『わかんない……けど、だいじにしなきゃいけないの』
自身が春雷に行ったこと、能力者であること、水を異常に怖がるようになった理由。
戻ってきた姉は、自身の持つ能力に纏(まつ)わる全ての記憶を失っていた。
腕輪の贈り主のことも、例外ではなかった筈だが晴海はその言葉の通り、いつでもそれを身に着けて大切にしていた。
「…お前、だったのか」
風弓の手にした真珠を目にした瞬間、陸は眼を見開いた。
「多分、あいつに無理矢理腕を掴まれた弾みで紐が千切れたんだな…あの野郎、姉ちゃんが昔っから大事にしてるものまで壊しやがって…っ」
そして、苦々しげな面立ちで散り散りになった真珠を拾い集める。
「俺が晴を悲しませたから、かな…」
「…は?」
「俺、晴にとても酷いことをしたんだ。それで晴のことを泣かせてしまった」
真珠を一通り拾い終えると、陸はかくんと項垂れた。
「やっぱり、すぐに迎えに来れば良かった。馬鹿だな、俺は」
「なに、を…」
何を言ってる――そう口にし掛けた瞬間、晴海がこの真珠の飾りをいつから腕にしているのか、ふと思い出した。
十年前に春雷から帰ってきたときから、姉は腕につけたそれを大事そうに眺めていたのだ。
『ねえちゃん、それ、どうしたんだ?』
『わかんない……けど、だいじにしなきゃいけないの』
自身が春雷に行ったこと、能力者であること、水を異常に怖がるようになった理由。
戻ってきた姉は、自身の持つ能力に纏(まつ)わる全ての記憶を失っていた。
腕輪の贈り主のことも、例外ではなかった筈だが晴海はその言葉の通り、いつでもそれを身に着けて大切にしていた。
「…お前、だったのか」