いとしいこどもたちに祝福を【後編】
十年を経て、腕輪の成れの果てを手にした贈り主はつらそうに顔を顰(しか)めて俯いた。
「晴は…記憶を失くしてもずっと大切にしてくれたのに、俺が晴の気持ちを蔑(ないがし)ろにしたせいで壊れたんだ」
陸を取り巻く様々な状況の変化に戸惑い、香也や真都の言葉に揺さぶられ、大切なものを壊され。
晴海の心は千切れた紐のように、張り詰めて限界を迎えてしまったのかも知れない。
それこそ、長年能力を抑えていてくれた周の封印を自ら打ち破ってしまう程に。
「…じゃあ陸、もしも姉ちゃんの気持ちがお前から離れちまってたとしたら、すんなり諦めてどっかの御嬢様とでも結婚すんのかよ?」
「っそんな訳ないだろ!!」
すっかり落胆していた筈の陸は、勢い良く顔を上げて噛み付いてきた。
素直に諦めてくれたら、とっても嬉しいんだがな――
「…じゃあ貸せよ。それ」
ずい、と渋々ながら片手を目の前に突き出してやると、陸はきょとんとして首を傾けた。
「え……」
――そうでなきゃ、こっちとしても全然張り合いがねえからな。
「紐が切れたら、直すのはいつも俺の役目なんだよ」
+ + +
「晴は…記憶を失くしてもずっと大切にしてくれたのに、俺が晴の気持ちを蔑(ないがし)ろにしたせいで壊れたんだ」
陸を取り巻く様々な状況の変化に戸惑い、香也や真都の言葉に揺さぶられ、大切なものを壊され。
晴海の心は千切れた紐のように、張り詰めて限界を迎えてしまったのかも知れない。
それこそ、長年能力を抑えていてくれた周の封印を自ら打ち破ってしまう程に。
「…じゃあ陸、もしも姉ちゃんの気持ちがお前から離れちまってたとしたら、すんなり諦めてどっかの御嬢様とでも結婚すんのかよ?」
「っそんな訳ないだろ!!」
すっかり落胆していた筈の陸は、勢い良く顔を上げて噛み付いてきた。
素直に諦めてくれたら、とっても嬉しいんだがな――
「…じゃあ貸せよ。それ」
ずい、と渋々ながら片手を目の前に突き出してやると、陸はきょとんとして首を傾けた。
「え……」
――そうでなきゃ、こっちとしても全然張り合いがねえからな。
「紐が切れたら、直すのはいつも俺の役目なんだよ」
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