いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「最初からいたっつーの…言っとくけど、今の姉ちゃんに妙なことしたら容赦しないからな」

「当たり前だろっ!誰がするかよ」

今の晴海に嫌われてしまったら、今度こそ立ち直れなくなりそうだ。

「……りっくん、ふゆちゃん、けんかしないで」

「「大丈夫、してないよ」」

何処かで良く見慣れた光景と似ていると内心思いつつ、愛梨は笑顔を浮かべたまま黙っておいた。

「――陸」

ふと名を呼ばれて振り返ると、心なしか神妙な面持ちの京が立っていた。

「父さんが呼んでる…行っておいで」

「!分かった、有難う」

先程の冬霞の件について、だろうか。

「ごめん晴。俺、用事があって行かなきゃいけないから、ちょっとだけ母さんや風弓と待っててくれるかな」

晴海は寂しげに頷くと、名残惜しげに陸から身を離したが――次の瞬間、何かに怯えたようにびくりと身を竦ませた。

「晴?」

「…っ……なんでも、ない…」

そう言って晴海はふいとこちらにそっぽを向いて、風弓にしがみ付いてしまった。

離れることに拗ねてしまったのだろうか。

「ごめんな、すぐ戻ってくるから…」
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