いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「そうだねえ…陸の場合は大人し過ぎるから、たまにははるを押し倒すくらいの男気見せてくれてもいいんだけど」

「えっ!?」

先日の――世間一般的には痴話喧嘩と呼ぶべきかという件に関しては、まだ母に話していない筈なのだが。

まさか一瞬その話まで筒抜けなのかと思い動揺したが、冗談だよ、と母が笑ったのでどうも違うらしい。

「はるは…顔はあたし似だけど、性格は充似な上に内気だからさ。色々心配だったけど…はるのこと大事にしてくれる相手にちゃんと出逢えたから、安心したよ」

「…私って父さんに似てる?」

「そっくりだよ。大人しくて気が弱そうなのに、自分で決めたことは絶対曲げないとことか」

「そうかなあ…?」

自分に、そういう一面があるのは確かだが。

記憶の中の父はいつでもおっとりしていて、自分の我を通すような姿を見たことは一度もない。

「しかもあんな美形で大国の領主子息捕まえたんだからなあ。言うことないね」

「…っもう、母さんはそうやってすぐ茶化すんだから」

ごめんごめん、と笑いながら仄は晴海の髪を思い切り掻き混ぜた。

「…陸とのこと、聞いたらきっと充もすっごく喜ぶよ」

「うん…」


 * * *

 
< 316 / 331 >

この作品をシェア

pagetop