いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「…そうか。良かった、仄さんがそう言ってくれて」

――その夜、晴海は陸と共に邸の庭園を散策しながら家族に報告を終えた顛末を話した。

それを聞き届けた陸は、安堵したように笑みを浮かべる。

「ふゆちゃんもね…本当は解ってくれてるんだと思うんだ。いつも口では陸に反発して見せるけど」

「うん。大丈夫、俺にも解るよ」

「…私も陸にそう言って貰えて、良かった」

自分のことだけでなく、自分の家族も受け入れて貰えるというのはとても嬉しい。

「風弓のお陰で、俺は助けられたことが沢山あるし…迷わず本音をぶつけてくれる風弓と話すのは、俺も結構楽しいんだ」

「…そっか」

安堵して陸の上着の袖口をついと引っ張ると、陸はその手を絡め取るように握ってくれた。

「ん…はるの手、少し冷たいな。寒い?」

「大丈夫。私の手、寒くなくても元々冷たいから…ひゃっ!」

繋いだ手を引かれ、よろめいた晴海は陸の懐にぽすんと倒れ込んだ。

そのまま陸の両腕に抱き締められる。

「やっぱり、肩も冷たいよ。風邪でもひいたら大変だし、そろそろ中に戻ろうか?」

とは言っても、その抱き締め方は幼い子供をあやすようにぽんぽんと肩を叩いたり頭を撫でたり、という扱いなのだが。

「…あ、あのね……陸…」

「?」
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