いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「陸?」

「晴から、して…くれるなんて、初めてだったからっ…凄く、嬉しくて」

そういえば――そう、だろうか。

以前自分からしたのは、陸が眠っているときだったから本人は知らなくて当然だ。

あの頃は、自分の気持ちが陸に伝わるだなんて思ってもみなかった。

しかも、陸も自分のことを好いていてくれているなんて――

「…だって私も、ずっとこうしたくて仕方なかったんだもの」

「っ…う、うん」

それに今までは、こちらが何度も陸に赤面させられていたのに、逆の立場となると陸はこんなにも狼狽(うろた)えてしまうのか。

(何だか、かわいい…)

と、本人に聞かせたら余計に戸惑わせてしまいそうなことを思いながら、晴海はもう一度陸の頬に唇を寄せる。

「はる」

陸はまだ恥ずかしそうだったが、ふと先程よりも強く抱き寄せられた。

「陸、あったかい」

「俺も」

「陸も?私、あんまりあったかくないのに」

「そんなことないよ。はるが傍にいてくれると、凄くあったかくて落ち着くんだ…」

そう言った陸の両手が晴海の頬を包み込んで、再び互いの顔の距離が近くなる。
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