いとしいこどもたちに祝福を【後編】
いつの間にか背後に回った香也に手を取られ、掌に口付けられた。

「ちょ…香也っ!?」

「触るなよ、俺のだ!」

驚いて取り乱す晴海の掌を、陸が慌てて取り返す。

「その割には随分隙だらけだったじゃねえか、なあ晴海?」

「え…えっと…」

同意し難い問いを投げ掛けられ、言葉に窮する。

「おい、変なこと訊いて困らせるなよ」

陸が恨めしげに睨み付けると、香也はくすくすと噛み殺し切れずに笑みを零した。

「お前らをからかうと楽しくてな…今日は遊びに来た訳じゃないんだが。月虹がまたそろそろ動く、奴らは未だに陸を諦めてないからな…それを知らせに来たんだ」

香也の言葉に、陸は何かを確信したように小さく頷いた。

「…やっぱりお前、奴らの動向を探るために自分から敢えて月虹に協力してるんだな」

すると香也は少しつまらなさそうに溜め息をついた。

「……お前らも漸く記憶が戻ったことだし、そろそろ種明かしとするか。晴海、陸から俺たちの役目について聞かされてるな」

「う、うん」

病院での一件も、記憶が切れ切れではあるが覚えている。

あの、自身でも抑制し切れない大きな力を持つ自分を支えてくれるのが、陸と香也の二人が持つ役目なのだと陸から聞かされた。

守られる立場というのは気が引けるが、正直あの強大過ぎる力を自分だけで抑える自信は全くない。
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