いとしいこどもたちに祝福を【後編】
「俺は、四年前――晴海の能力に月虹が目を着けることを想定して奴らに協力した。好都合なことに連中へ協力する姿勢を見せれば、洗脳や記憶消去を受けずに済んだからな」
確かに、自ら協力を申し出た風弓も同じ扱いだった。
「しかし俺の予想は外れ、月虹に晴海はいなかった。その代わりに如月が着目したのが、俺たち守護者の能力だな。この時点での痛手は、陸の記憶を消されてたことだったよ」
「…俺はお前とは逆に、月虹の連中相手にかなり反抗したから」
「お前の場合は、架々見の私怨も絡んでるしな。他の奴らは家族に纏(まつ)わる記憶を消されただけだが…言語障害を起こす領域までやられたのはお前くらいだぜ」
そのときのことを思い出してか、陸は苦々しげに顔を顰めた。
「俺はお前に記憶を取り戻させる機会を窺ってたが、想定外だったのは才臥が陸を逃がしたことだ。発想は悪くなかったがな…結果、陸は記憶を失ったまま制約の魔法まで発動して、能力が大幅に弱体化しちまった」
自分が炎夏で再会したのは、正にその直後の陸だった。
「記憶もなく、力が弱まったままじゃ守護者の役目は果たせない…だが追っ手を退けるにつれ、お前の疲弊も深刻化していった」
「だから俺を連れ戻して、制約を解くよう如月に提案をしたのか…まあお陰で記憶も能力も取り戻せたけど、春雷を一斉に襲撃されるとは思わなかったよ」
あの襲撃で春雷が受けた被害は甚大だっただけに、陸は複雑そうに香也を見つめた。
「如月には俺一人で十分だと言ったんだがな、それだけ奴もお前を取り戻すのに必死だったんだろ。だからお前をもう一度逃がすには骨が折れそうだと思ってたが、そいつはお前の兄貴が上手いことやってくれた」
確かに、京と悠梨の連携がなければあのとき月虹から脱出するのは難しかっただろう。
「さて、これで陸のほうは何とかなった。次は晴海の能力だがな…俺も覚醒させるか否かは迷ってたんだ。結局自力で覚醒しちまったけど」
「!それは…私に持病があるから?」
「それもあるが、後は月虹側の勢力の問題だな。現時点で、奴らの勢力は随分と削がれてる。月虹を潰すために、何が何でもお前の力を頼る必要はないってことだ」
「なら、晴の力はもう一度封じてしまっていいのか?このままだといつ奴らに知られるかも分からないし、晴の身体への影響も心配なんだ」
自分の能力は月虹を止めるために授かったものらしいが――自分の持病や能力の扱いに不馴れな点を考えると、使わずに済むなら有難い話だ。
確かに、自ら協力を申し出た風弓も同じ扱いだった。
「しかし俺の予想は外れ、月虹に晴海はいなかった。その代わりに如月が着目したのが、俺たち守護者の能力だな。この時点での痛手は、陸の記憶を消されてたことだったよ」
「…俺はお前とは逆に、月虹の連中相手にかなり反抗したから」
「お前の場合は、架々見の私怨も絡んでるしな。他の奴らは家族に纏(まつ)わる記憶を消されただけだが…言語障害を起こす領域までやられたのはお前くらいだぜ」
そのときのことを思い出してか、陸は苦々しげに顔を顰めた。
「俺はお前に記憶を取り戻させる機会を窺ってたが、想定外だったのは才臥が陸を逃がしたことだ。発想は悪くなかったがな…結果、陸は記憶を失ったまま制約の魔法まで発動して、能力が大幅に弱体化しちまった」
自分が炎夏で再会したのは、正にその直後の陸だった。
「記憶もなく、力が弱まったままじゃ守護者の役目は果たせない…だが追っ手を退けるにつれ、お前の疲弊も深刻化していった」
「だから俺を連れ戻して、制約を解くよう如月に提案をしたのか…まあお陰で記憶も能力も取り戻せたけど、春雷を一斉に襲撃されるとは思わなかったよ」
あの襲撃で春雷が受けた被害は甚大だっただけに、陸は複雑そうに香也を見つめた。
「如月には俺一人で十分だと言ったんだがな、それだけ奴もお前を取り戻すのに必死だったんだろ。だからお前をもう一度逃がすには骨が折れそうだと思ってたが、そいつはお前の兄貴が上手いことやってくれた」
確かに、京と悠梨の連携がなければあのとき月虹から脱出するのは難しかっただろう。
「さて、これで陸のほうは何とかなった。次は晴海の能力だがな…俺も覚醒させるか否かは迷ってたんだ。結局自力で覚醒しちまったけど」
「!それは…私に持病があるから?」
「それもあるが、後は月虹側の勢力の問題だな。現時点で、奴らの勢力は随分と削がれてる。月虹を潰すために、何が何でもお前の力を頼る必要はないってことだ」
「なら、晴の力はもう一度封じてしまっていいのか?このままだといつ奴らに知られるかも分からないし、晴の身体への影響も心配なんだ」
自分の能力は月虹を止めるために授かったものらしいが――自分の持病や能力の扱いに不馴れな点を考えると、使わずに済むなら有難い話だ。