君想歌
色とりどりの金平糖の中から
一つ、手に取ると口に入れる。
「ね、働く場所無くなったら。
雇ってくれたりする?」
「どうしたん。いきなり?」
涙を拭いてもなお、赤くなった
瞳は和泉を怪訝そうに写した。
「刀、使えなくなってる」
「え……?」
和泉の口から吐き出された
衝撃の事実は明里を固まらせた。
「最近使ってなかったから
分からないけど。
たぶん稔麿殺してから」
刀を抜けば。
鈍く光る剣身を見ただけで
動けなくなってしまう。
「居場所、無くなっちゃうな…」
刀も使えない人間を。
組が必要とするはずが無い。
事実が露見すれば遅かれ早かれ
組を和泉は脱けるつもりだった。
.
一つ、手に取ると口に入れる。
「ね、働く場所無くなったら。
雇ってくれたりする?」
「どうしたん。いきなり?」
涙を拭いてもなお、赤くなった
瞳は和泉を怪訝そうに写した。
「刀、使えなくなってる」
「え……?」
和泉の口から吐き出された
衝撃の事実は明里を固まらせた。
「最近使ってなかったから
分からないけど。
たぶん稔麿殺してから」
刀を抜けば。
鈍く光る剣身を見ただけで
動けなくなってしまう。
「居場所、無くなっちゃうな…」
刀も使えない人間を。
組が必要とするはずが無い。
事実が露見すれば遅かれ早かれ
組を和泉は脱けるつもりだった。
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