「夫婦として過ごすつもりはない」
夫となった男性は、どこまでも冷淡な視線で私を見下ろしながらそう告げた。
三橋 優(みつはし ゆう) 22歳
三橋製薬社長の愛人の子
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緒方 一矢(おがた いちや) 34歳
緒方総合病院の次期院長
〝愛人の子〟
それは、生まれた瞬間から私について回った言葉だった。
悔しい思いをたくさんした。
父を恨みもした。
けれど……
私と母の存在が本妻やその子を苦しめてきたのも事実だと、虐げられる現状を甘んじて受け入れてきた。
我慢の上になんとか成り立った平穏な日々は、父の突然の命令で終わりを迎えた。
「お前には緒方総合病院の次期院長である、緒方一矢と結婚してもらう」
本来の相手は、本妻の子である陽(よう)だった。
けれど、彼女は好きな男を追って家を出てしまった。
私たち母娘は、逆らうことができない。
相手の男性が、どんなに私を疎ましく思っていたとしても……。
素敵なレビューをありがとうございます!!
さとみっち 様
ゆっき。 様
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製薬会社社長の愛人の娘として産まれた優は、父の本妻から虐げられながらも慎ましく生活していた。そんなある日、父から腹違いの姉の代わりとして結婚することを命じられてしまう。相手は取引先である大病院の御曹司・一矢。抗うことができずに結婚するも、彼には初日から冷たくあしらわれる。愛のない生活でも諦めずに彼に尽くしていると…「ずっと抱きたいと思ってた」――ある誤解が解けたことをきっかけに彼の溺愛が急加速!初めて身も心も包み愛されて…。