社内恋愛なんて
会議室の扉を閉めてすぐ、勢いのままに誠一郎さんに詰め寄った。


「エリオスターの就職スレッドが大変なことになっています!」


 すると、会議室まで私を訝る様子で見ていた誠一郎さんが、なんだそのことかと言わんばかりにふうとため息をついた。


「ああ、知ってる」


「知ってたなら、どうしてそんな冷静でいられるんですか!?」


「落ち着け、大丈夫だから」


 泣き出しそうなくらい慌てている私に、誠一郎さんは優しく肩を叩いた。


「大丈夫じゃないです。こんな大事な時期に……。あれを見て他社に流れてしまったら……」


「あんな根拠のないものを単純に信じてしまうような奴はいらない。ふるい落としてくれてありがとうって思えばいい」


 誠一郎さんは私を慰めるように、優しく落ち着いた笑顔を見せた。


「……そんな風に思えないです」


 誠一郎さんの顔を見上げて、恨めしい顔で瞳をじっと見つめた。
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