御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「華やかさを追求しながら、媚のないデザインをモットーにしているデザイナーです。……こちらのお嬢様には、きっとよくお似合いになると存じます」
プロフェッショナルの顔になった女性店員さんが、私の目の前でドレスを広げる。シルクタフタの繊細な光沢は、着るものを選ぶ気品を放っていて、簡単に触れることを戸惑うほどだ。
「こんな素敵なお洋服……。無理です。私では、服に負けてしまいます」
躊躇する私を女性店員さんが意味ありげに見つめ、そのまま手を引かれて試着室に誘われる。
そしてカーテンを閉める間際、そっと耳打ちをされた。
「西条様がエスコートして下さるのですから、きっと今日のパーティでお客様は花嫁の次に幸福な女性ですよ。……もっと自信をお持ちください。そうすれば、きっとよくお似合いになります」