御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「あなたの傷の具合も気になるし、正直、あなたから一時も目を離したくありません。……嫌ですか」
ベッドで一緒に……。その言葉の意味を、混乱する頭の中でもう一度反芻する。
『あなたを愛しています』
さっき公園で彼に抱かれ、唇を塞がれたあとにささやかれた言葉がよみがえる。
あの時、体中が喜びで満たされ、彼の胸にずっと抱かれていたいと思ったのは本当の気持ちだ。
けれど、彼と同じベッドで休むということの意味を考えると……。
「理咲……?」
深刻な顔で黙り込んだ私に、怜人さまが心配そうな視線を向ける。
そして切なげに笑うと、私の頭をぽんぽんと撫でた。
「バカですね。そんなに深刻な顔をしないで。無理強いをするつもりは……」
「違うんです!!ごめんなさい!!」
そう言って彼の首に抱きつくと、最初は驚いた様子の怜人さまが、小さな子供にするように背中をぽんぽんと叩いてくれる。
「あの……。ごめんなさい。私……私、こういうことが初めてで……どうしたらいいのか……」
見苦しいほどしどろもどろになりながら、決して嫌ではないことを伝えたくて必死で言葉を探した。
「あの……あの……」