御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
その言葉を遮るように怜人さまがお父様に詰め寄る。
『彼女の前で……止めてください。彼女はきちんと英語を理解しています。それに京極家の令嬢の話はとんでもない言いがかりだ。その件に関しては、断固抗議します』
『そうだね。明日オフィスに訪ねてくるそうだから、その時に話すといい。君の身の潔白を証明してくれることを願うよ。こんなスキャンダルが表に出たら、わが社にとっては相当なダメージだ。わが社のブランドイメージは、消費者に夢を与える洗練された高級感だからね』
そう言いながら薄い唇の口角を上げると、『それじゃ失礼、お嬢さん』と全く笑っていない青い瞳で私の顔を覗き込み、怜人さまのお父様は去って行った。
翌日、怜人さまとオフィスに出社した。
日曜日の人気のないオフィスには、急遽呼び出された六車さんとクラウディアがすでに到着していた。
そして、CEO専用の豪華な応接室には、痩せた神経質そうな紳士と、彼に連れられた可憐さんが向かい側のソファに座っている。
私も怜人さまと並んでその正面に座り、斜め前のオッドマンには『今日の僕はオブザーバーだから』と、中立の立場を強調した『Teddy 's Company』最高トップのウィリアム氏が、緊張する私たちとは違って余裕の表情で静観している。