御曹司は身代わり秘書を溺愛しています


怜人さまのお父様が、いったい私に何の話があるというのだろう。

答えるのをためらっていると、六車さんの穏やかな声が耳に当てたスマホから聞こえる。


『ウィリアムさまはそんなに理不尽な方ではありません。今回のことは、企業イメージを守るために取ったやむを得ないことだと思って下さい。彼も少々強引だったことを悔やんでいらっしゃいます。何よりも、あなたがあんな行動をされるとは思ってもいなかったようだ。理咲さん、ウィリアムさまに会って下さい。私からもお願いします』

最後には懇願するように言われ、断ることもできない。


「分かりました。私はどうすればいいですか」


「そうですね。では、今いる場所を教えてください」


待ち合わせ場所を告げると、六車さんからの電話は優しく切れた。


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