御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「理咲さんと出会って、怜人さまは変わりました。ずっと変わらない孤独の中に一人で身を置いていたのに、彼はどんどん変わっていった。何より、自分以外の人の気持ちを考えるようになりました。そして誰にも執着しなかった彼が、あなたを強く欲するようになった。あなたのために動き、あなたのために考えるようになった。彼がどんどん変わっていくことが僕はとても嬉しくて、そしてあなたに感謝していました」
赤信号で停まった車のルームミラーに、六車さんの優しい眼差しが映っている。
ミラー越しに目が合い、私を包み込む穏やかな空気になぜか泣きたくなった。
「理咲さん、怜人さまとウィリアムさまを救えるのはきっとあなたしかいない。その力を持っているのは、あなたしかいないということを、決して忘れないでください」
「私……ですか」
「そうです。あなたしかいません」
困惑する私にそう力強く言い切ると、六車さんはそれきり言葉を切り、車を走らせた。