御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「ひゃー、外国の人って、ああいうのオープンですよねー。まぁこのホテル、ロマンチックなクリスマス仕様だし、ああいう外人の美男美女だと絵になりますね〜」
百貨店の催事場担当、藤田さんは私より少し年上の男の人。実直な感じの彼は、目を真ん丸にしてふたりを凝視している。
そんな藤田さんに苦笑しながら、何気なく視線を向けた。
けれどふたりが視界に入った途端、体がひやりと冷たくなる感覚に襲われた。
すらりとした体躯に、体にぴったり沿ったネイビーのスーツ。
背が高く、手足が長い彼には見惚れるほど似合っていて、そんな彼に負けず劣らずのブロンド美女が彼の首に腕をまわしている。
後ろ姿だけで分かる……。
怜人だった。そして、抱擁の相手はレイチェルだ。
ふたりを前に呆然と立ち尽くす私に、藤田さんが慌てたような視線を向ける。
「葉山さん、いくらなんでもガン見しすぎですよ。ちょ、ちょっと……」