御曹司は身代わり秘書を溺愛しています

相変わらずの美貌はさらに磨きがかかったように輝き、身にまとったワンピースも一目で分かる上質の物だ。

どこからどう見てもお似合いなふたりに、胸が締め付けられるように痛む。

一方私の隣では、藤田さんが困惑の表情を浮かべていた。ハッと我に返り、藤田さんに精いっぱいの作り笑顔を向ける。


「藤田さん、すみません、今日これで失礼しますね」

「あ、ああ、はい。それではよろしくお願いします」


藤田さんにぺこりと頭を下げると、私はくるりと踵を返し、早足にその場を後にする。


「理咲……!」


怜人は小走りで立ち去ろうとする私にあっという間に追いつき、がっしりと腕を掴むと、見たこともないような怖い顔で言った。


「理咲、これはどういうことですか?なぜあの男性とホテルにいるんです?」

「そ、それは仕事で……っ」

「仕事でホテルですか。それに、仕事関係の相手が、なぜあなたを肩を抱いていたんですか?彼は一体どういう素性の……」

「れ、怜人こそ……レイチェルと抱き合って……」


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