御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「私、こう見えても結構大きな会社の社長の娘でさ。あ、家柄もいいんだよ。公家っていうの?それの末裔なんだってー。で、ここの社長との縁談が持ち上がっちゃって……。でもさ、今見てくれたでしょ?本当に好きな人の子供なの。親には反対されてるんだけど」
軽い調子で話す内容は、結構深刻だ。
「それじゃあ、縁談をお断りして、ご両親に相談された方がいいんじゃないでしょうか。お腹も大きくなってくるでしょうし、早く話し合いを……」
「それがダメなんだよね。ここの御曹司、なんかすごい人で……。要するに、私とその人が結婚すればかなりメリットがあるっていうか……。まぁ、主にうちが、なんだけど。だからこんなことがバレたら、絶対子供も始末される」
「そんな!!」
始末だなんて、娘に対してそんなひどいことをする親がいるのだろうか。
あまりにも辛い可憐さんの立場を思うと、いてもたってもいられなくなる。
「可憐さん……。私にも何かできればいいんですけど、何のお役にも立てなくてごめんなさい」
「ううん〜。理咲ちゃん、すごくお役に立てると思うんだ。それに、理咲ちゃんにとっても悪い話じゃない。ね、理咲ちゃん、これから三か月、私の代わりにCEOの秘書になってくれない!?」
「え!?」
あまりに唐突な申し出に、一瞬何を言われているのか分からなくなる。