強引専務の身代わりフィアンセ
「そんなとき、ティエルナがエキストラを雇っているっていう話を聞いて、もしかして……と思ったんだ。それで、勝手に美和のことも調べさせてもらった」
「だったら、なんであのとき、実家のことを言わなかったんですか」
わざわざ契約を切る、なんて脅す真似をしなくても、手の内を全部知ってる、と言えばよかったのに。それでも、エキストラとしては最後まで否定したかもしれないけど。
「美和の口から本当のことを聞きたかったんだ。それに俺自身、自分がどうしたいのかも、わからなかった。ただ、美和の笑顔がずっと目に焼きついて、心乱されるのが、もう嫌だったんだ。演技で作った笑顔なら、それをこちらに向けてもらえたら気が晴れると思った」
「……だから、婚約者の代役を?」
「そう。ああいう理由でもつけないと、美和は引き受けてくれなかっただろ。俺のことをよく思っていないのは知っていたから」
「そんなことないですよ! 私はっ」
慌てて彼の方を見て否定しようとしたけれど、途中で口をつぐむ。一樹さんが意地悪く微笑んでいたから。
「私は?」
そっと頬にかかった髪を耳にかけられ、私の頬は赤くなった。わざとらしく彼の胸元に顔を埋める。
「し、知りません。それで、気が晴れたんですか?」
「全然晴れなくて、戸惑ったさ。でも、おかげで自分の気持ちに気づくことができた」
その言葉に、私はゆるゆると再び顔を上げて彼の顔を見る。彼は柔らかく微笑んでいた。そんな顔もしてくれるんだ、と思っていると優しく頭を撫でられる。
「だったら、なんであのとき、実家のことを言わなかったんですか」
わざわざ契約を切る、なんて脅す真似をしなくても、手の内を全部知ってる、と言えばよかったのに。それでも、エキストラとしては最後まで否定したかもしれないけど。
「美和の口から本当のことを聞きたかったんだ。それに俺自身、自分がどうしたいのかも、わからなかった。ただ、美和の笑顔がずっと目に焼きついて、心乱されるのが、もう嫌だったんだ。演技で作った笑顔なら、それをこちらに向けてもらえたら気が晴れると思った」
「……だから、婚約者の代役を?」
「そう。ああいう理由でもつけないと、美和は引き受けてくれなかっただろ。俺のことをよく思っていないのは知っていたから」
「そんなことないですよ! 私はっ」
慌てて彼の方を見て否定しようとしたけれど、途中で口をつぐむ。一樹さんが意地悪く微笑んでいたから。
「私は?」
そっと頬にかかった髪を耳にかけられ、私の頬は赤くなった。わざとらしく彼の胸元に顔を埋める。
「し、知りません。それで、気が晴れたんですか?」
「全然晴れなくて、戸惑ったさ。でも、おかげで自分の気持ちに気づくことができた」
その言葉に、私はゆるゆると再び顔を上げて彼の顔を見る。彼は柔らかく微笑んでいた。そんな顔もしてくれるんだ、と思っていると優しく頭を撫でられる。