強引専務の身代わりフィアンセ
べつに彼女じゃなくてもかまわない。Im.Merの商品を見て、あんなふうに笑ってくれる顧客が現れたらそれでいい。
そう心の中で結論づけながらも、俺はどうしても彼女のことが忘れられなかった。どこの誰かも知らないのに。ましてや彼女はうちではなくティエルナの大ファンだ。
早く忘れた方がいい。頭では理解しているのに、それができない。新作の打ち合わせをしながら、これなら彼女は笑ってくれるだろうか、そんな馬鹿なことさえ思った。
夏のイベントでまた会えるかもしれない。会ってどうしたいのかは自分でもわからないが、淡い期待を抱いていると、俺は思ってもみないところで彼女と再会を果たした。
毎年恒例の新入社員歓迎会で俺は自分の目を疑うことになる。ずっと探していた彼女が、なぜか新入社員の立場として再び俺の目の前に現れたのだから。
けれど、初めて見た彼女とはまったく印象が違う。それにMILDやIm.Merのアクセサリーを見ても笑うどころか、無表情に眺めていた。
当たり前か、彼女はティエルナの大ファンだ。なら、どうしてここにいるのか。あれこれ思う間もなく俺は彼女の元に近づいていた。
『アクセサリーに興味は?』
とにかく彼女のことが気になって、話しかける。彼女は眼鏡の奥の大きな瞳を揺らしてこちらを見てきた。
『正直、あまりないですけど』
『なら、なぜうちの会社に?』
彼女の嘘に、つい棘を含ませた言い方をする。興味がないなら、イベントに足を運んだりしない。ティエルナのファンだというのを隠したいのか、それとも。
そう心の中で結論づけながらも、俺はどうしても彼女のことが忘れられなかった。どこの誰かも知らないのに。ましてや彼女はうちではなくティエルナの大ファンだ。
早く忘れた方がいい。頭では理解しているのに、それができない。新作の打ち合わせをしながら、これなら彼女は笑ってくれるだろうか、そんな馬鹿なことさえ思った。
夏のイベントでまた会えるかもしれない。会ってどうしたいのかは自分でもわからないが、淡い期待を抱いていると、俺は思ってもみないところで彼女と再会を果たした。
毎年恒例の新入社員歓迎会で俺は自分の目を疑うことになる。ずっと探していた彼女が、なぜか新入社員の立場として再び俺の目の前に現れたのだから。
けれど、初めて見た彼女とはまったく印象が違う。それにMILDやIm.Merのアクセサリーを見ても笑うどころか、無表情に眺めていた。
当たり前か、彼女はティエルナの大ファンだ。なら、どうしてここにいるのか。あれこれ思う間もなく俺は彼女の元に近づいていた。
『アクセサリーに興味は?』
とにかく彼女のことが気になって、話しかける。彼女は眼鏡の奥の大きな瞳を揺らしてこちらを見てきた。
『正直、あまりないですけど』
『なら、なぜうちの会社に?』
彼女の嘘に、つい棘を含ませた言い方をする。興味がないなら、イベントに足を運んだりしない。ティエルナのファンだというのを隠したいのか、それとも。