強引専務の身代わりフィアンセ
「無理なお願いをいきなりごめんね。これでも彼、本当に困ってるんだ。だからどうか妹の代打として、この話を受けてくれないかな? お金は一樹くんがばっちり払うからさ。なんなら正規料金の倍払ってもかまわないよ」
「妹?」
あっけらかんとした口調の中で一番気になったことを尋ねると、専務がそれを引き継ぐように口を開いた。
「彼は桐生幹弥。家庭の事情で苗字が違うが、今話した鈴木美弥の実の兄で、桐生建設コーポレーションの社長の孫だよ」
「え、あの!?」
反射的に私は声をあげた。桐生建設コーポレーションといえば、建設業の国内最大手だ。国民の誰もが知る上場企業で、最近ではCLT建設の促進に力を入れていて、さらに注目を浴びている。
「知っててくれて嬉しいな。そう、正真正銘の御曹司様だよ」
「自分で言うな」
笑顔の桐生さんにすかさず専務が横やりを入れたが、そんなすごい人が今、自分の目の前にいることがにわかに信じられなかった。いや、専務だって十分にすごい人なんだけど。
「あんまり固くならなくていいよ。一樹くんより俺は四つ下なんだけど、親同士が仲良くて昔から知ってるんだ。美和ちゃんは、いくつ?」
「今年で二十五になります」
「妹のひとつ下か。ちょうどいいじゃん。よし、美和ちゃんは特別に俺のことミッキーって呼んでもいいよ」
「お、お気持ちだけで十分です」
すごい。桐生さんは、どこまでもマイペースなのに、有無を言わさずこちらをどんどん巻き込んで、気づけば話の主導権を握っている。いつの間にか私もちゃっかり名前で呼ばれているし。
「妹?」
あっけらかんとした口調の中で一番気になったことを尋ねると、専務がそれを引き継ぐように口を開いた。
「彼は桐生幹弥。家庭の事情で苗字が違うが、今話した鈴木美弥の実の兄で、桐生建設コーポレーションの社長の孫だよ」
「え、あの!?」
反射的に私は声をあげた。桐生建設コーポレーションといえば、建設業の国内最大手だ。国民の誰もが知る上場企業で、最近ではCLT建設の促進に力を入れていて、さらに注目を浴びている。
「知っててくれて嬉しいな。そう、正真正銘の御曹司様だよ」
「自分で言うな」
笑顔の桐生さんにすかさず専務が横やりを入れたが、そんなすごい人が今、自分の目の前にいることがにわかに信じられなかった。いや、専務だって十分にすごい人なんだけど。
「あんまり固くならなくていいよ。一樹くんより俺は四つ下なんだけど、親同士が仲良くて昔から知ってるんだ。美和ちゃんは、いくつ?」
「今年で二十五になります」
「妹のひとつ下か。ちょうどいいじゃん。よし、美和ちゃんは特別に俺のことミッキーって呼んでもいいよ」
「お、お気持ちだけで十分です」
すごい。桐生さんは、どこまでもマイペースなのに、有無を言わさずこちらをどんどん巻き込んで、気づけば話の主導権を握っている。いつの間にか私もちゃっかり名前で呼ばれているし。