転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「……実は、初めてシエラに〝予知能力〟を使ってみてと言われたときに――見たんだ」
「……なにを?」
「俺とシエラが……キスしてるところ」
「……え、えぇぇ!?」

 驚いて、おもわず道の端まで後ずさった。そういえばあのときフィデル、変に動揺してたような……!?

「い、今の予知を、見てたの!?」
「俺も間違いだと思ったんだ。さすがに会ったばかりの女とキスしてる予知を見るなんて、どうかしてると思って」
「じゃあ……会ったときから私たちが結ばれるのは、決まってたってこと? 運命だったのかな。私たち」 
「……俺の予知は、回避しない限りは必ず当たるからな」
「わっ、ちょ、ちょっとフィデル! 待っ――!」

 フィデルは道の端にいる私にぐいぐいと迫って来て、そのまま外壁まで追い詰められる。両腕を私の顔の横につき、いわゆる壁ドン状態で、おでこ同士をコツンとくっつけられる。

「フィデル、ちょっと積極的すぎじゃない? 私にはまだ刺激が強いといいますか……」
「シエラがかわいいことを言って俺を煽るからだろ。無自覚なら、ロレッタよりずっとお前は小悪魔だな」

 煽ってる自覚も、小悪魔の自覚もない。それを言うなら、フィデルはエリオットよりずっと肉食男子だ。

「……本当に私でいいの? 四六時中、自分を見張る能力を持ってる女と一緒にいたら、たいへんなんじゃない?」
「なにも。それに俺は、ずっとシエラのそばにいるから見張る必要はない」

 フィデルは私の前髪をかき分けると、おでこにキスを落とした。
 不意打ちの出来事に「ひゃっ」と声を漏らすと、フィデルは私を抱き締める。

「……今、俺がそばにいないと泣き喚くシエラの予知が見えた」
「嘘。もう力は使えないくせに」
「そんなの――力を使わなくてもわかるからな」

 ふたりで顔を見合わせて、どちらかともなく笑い合い、私は両腕をフィデルの背中へと回した。
 優しい体温に包まれ、目を閉じながら、私は思う。

 ――まだ見ぬ私たちの〝未来〟は、〝今〟をも超えて、幸せなものになるだろう、と。
                      
  

                                  END
< 147 / 147 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:230

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
※こちらはベリーズファンタジー2025/6月刊の初稿となっております。 発売されたものとは一部内容や表現が異なる箇所がございます。 気になってくださいましたら、是非書籍のほうもよろしくお願いいたします! 「好きな人と幸せになってください」――完璧な才女と称えられる侯爵令嬢・サフィアがある日突然、婚約者の王太子あてに1通の手紙を残して姿を消した。 サフィアの妹と浮気していた王太子は、彼女が消えたことは好都合。 お陰でサフィアがあげた手柄も、心から愛する婚約者も望みどおり手に入れ、順風満帆な人生を送る…はずだった。噂と違い教養がない婚約者、うまく進まない外交、下がり続ける周囲からの評価。 「これが、サフィアが思い描いた未来だったのか?」 このままでは破滅すると焦った王太子は、何とかサフィアを取り戻そうと行方を探すが…? ――私がいなくなったあとの未来は、幸せですか? ======================= 試し読みのため、3章までの公開となっております。 ご了承くださいませ。 =======================
表紙を見る 表紙を閉じる
理不尽な婚約破棄、それでもめげずに家族を支えるため 田舎から王都に出稼ぎへ向かった貧乏令嬢フィリスは ひょんなことから魔法騎士団で働くことになり…… しかも仕事内容は “難あり副団長リベルトのお世話係”! イケメンでエリートでモテモテのリベルトの実態は 仕事以外にまるで興味がない&三大欲求すべてを持たない あまりに風変りすぎる男だった……。 だがもともと世話好きな性格のフィリスは そんな彼をどんどん懐柔していき――!? 「フィリス。俺は自分が好きなものにしか興味がない」 「ずっと君に興味があった。そしてこの興味は、好きってことだと気づいた」 「この先も一生、俺のそばにいてくれ」 (……い、いきなり重い!) 初めて恋をした騎士と、初めて恋をされた令嬢のラブロマンスです♪ ※こちらはベリーズ文庫2024/12月刊 『塩対応な魔法騎士のお世話係はじめました。ただの出稼ぎ令嬢なのに、重めの愛を注がれてます!?』 の初稿verとなります。 発売されたものとは一部内容が異なりますのでご了承ください。 改稿によりパワーアップしておりますので、是非そちらも読んでいただけると幸いです。
地味で無能な次女なので、私のことは忘れてください
  • 書籍化作品

総文字数/81,628

ファンタジー15ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
◆極上の大逆転シリーズ第二弾◆ 「私たちより幸せになるなんて、許せない」 自己中な姉妹の尻拭いの日々を送っていた伯爵家次女・レナエルは、妹に恋人を奪われ逆上した女性に殺されかける。 我慢の限界を迎えたレナエルはついに実家を出て行くことに……! 窮地を救ってくれた王太子に所望され秘書になると、押し殺していた才能を無自覚に発揮し王宮の人々を虜にしていく。 一方、レナエルを失った姉妹は幸せな日々が崩れていき…。 助けてほしい? 自由を謳歌しているので知りません! 地味で無能と呼ばれた落ちこぼれ令嬢が、自分の居場所を見つけ幸せを掴む大逆転ストーリー! ※8/5にベリーズファンタジーにて書籍化されるものの初稿となります。 書籍とは少し異なる点もございますが、お試し版としてお楽しみください。 続きは是非、書籍で読んでいただけると幸いです!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop