転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「……実は、初めてシエラに〝予知能力〟を使ってみてと言われたときに――見たんだ」
「……なにを?」
「俺とシエラが……キスしてるところ」
「……え、えぇぇ!?」
驚いて、おもわず道の端まで後ずさった。そういえばあのときフィデル、変に動揺してたような……!?
「い、今の予知を、見てたの!?」
「俺も間違いだと思ったんだ。さすがに会ったばかりの女とキスしてる予知を見るなんて、どうかしてると思って」
「じゃあ……会ったときから私たちが結ばれるのは、決まってたってこと? 運命だったのかな。私たち」
「……俺の予知は、回避しない限りは必ず当たるからな」
「わっ、ちょ、ちょっとフィデル! 待っ――!」
フィデルは道の端にいる私にぐいぐいと迫って来て、そのまま外壁まで追い詰められる。両腕を私の顔の横につき、いわゆる壁ドン状態で、おでこ同士をコツンとくっつけられる。
「フィデル、ちょっと積極的すぎじゃない? 私にはまだ刺激が強いといいますか……」
「シエラがかわいいことを言って俺を煽るからだろ。無自覚なら、ロレッタよりずっとお前は小悪魔だな」
煽ってる自覚も、小悪魔の自覚もない。それを言うなら、フィデルはエリオットよりずっと肉食男子だ。
「……本当に私でいいの? 四六時中、自分を見張る能力を持ってる女と一緒にいたら、たいへんなんじゃない?」
「なにも。それに俺は、ずっとシエラのそばにいるから見張る必要はない」
フィデルは私の前髪をかき分けると、おでこにキスを落とした。
不意打ちの出来事に「ひゃっ」と声を漏らすと、フィデルは私を抱き締める。
「……今、俺がそばにいないと泣き喚くシエラの予知が見えた」
「嘘。もう力は使えないくせに」
「そんなの――力を使わなくてもわかるからな」
ふたりで顔を見合わせて、どちらかともなく笑い合い、私は両腕をフィデルの背中へと回した。
優しい体温に包まれ、目を閉じながら、私は思う。
――まだ見ぬ私たちの〝未来〟は、〝今〟をも超えて、幸せなものになるだろう、と。
END
「……なにを?」
「俺とシエラが……キスしてるところ」
「……え、えぇぇ!?」
驚いて、おもわず道の端まで後ずさった。そういえばあのときフィデル、変に動揺してたような……!?
「い、今の予知を、見てたの!?」
「俺も間違いだと思ったんだ。さすがに会ったばかりの女とキスしてる予知を見るなんて、どうかしてると思って」
「じゃあ……会ったときから私たちが結ばれるのは、決まってたってこと? 運命だったのかな。私たち」
「……俺の予知は、回避しない限りは必ず当たるからな」
「わっ、ちょ、ちょっとフィデル! 待っ――!」
フィデルは道の端にいる私にぐいぐいと迫って来て、そのまま外壁まで追い詰められる。両腕を私の顔の横につき、いわゆる壁ドン状態で、おでこ同士をコツンとくっつけられる。
「フィデル、ちょっと積極的すぎじゃない? 私にはまだ刺激が強いといいますか……」
「シエラがかわいいことを言って俺を煽るからだろ。無自覚なら、ロレッタよりずっとお前は小悪魔だな」
煽ってる自覚も、小悪魔の自覚もない。それを言うなら、フィデルはエリオットよりずっと肉食男子だ。
「……本当に私でいいの? 四六時中、自分を見張る能力を持ってる女と一緒にいたら、たいへんなんじゃない?」
「なにも。それに俺は、ずっとシエラのそばにいるから見張る必要はない」
フィデルは私の前髪をかき分けると、おでこにキスを落とした。
不意打ちの出来事に「ひゃっ」と声を漏らすと、フィデルは私を抱き締める。
「……今、俺がそばにいないと泣き喚くシエラの予知が見えた」
「嘘。もう力は使えないくせに」
「そんなの――力を使わなくてもわかるからな」
ふたりで顔を見合わせて、どちらかともなく笑い合い、私は両腕をフィデルの背中へと回した。
優しい体温に包まれ、目を閉じながら、私は思う。
――まだ見ぬ私たちの〝未来〟は、〝今〟をも超えて、幸せなものになるだろう、と。
END


