ヤンデレ彼氏に監禁されて
『クルキさん……!』


それに――いや、彼に恐怖を感じたのはその時


虫を潰すのと同じ表情で人を殴る彼に、他の感情があるだろうか


止めなければ、一生でも続きそうな処刑


『ちょ、ちょっと君!』

その行いを止めたのは、駅員さんだった


駅員さんも彼の処刑を邪魔したから、男たち同様殴られるかと思ったが


『ああ、すみません。つい』


良識ある、いつもの彼が戻っていた


ただ、彼の足元に転がるのは鼻血を出した男


どんなに取り繕うとも遅かった


彼がした行いは、異常そのものだったんだから


『て、てめえ……。ふざけんじゃねえよ!俺はやってないってのによっ!』


手で顔を抑えながら、男はそうクルキさんを睨み付けていた


やっていないと、あんな傷を負わされても豪語する男を後目にし


『彩芭、こいつで間違いないんだろう?』


穏やか口調で、私に説いた


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