ヤンデレ彼氏に監禁されて
拍子抜けとは、このこと


期待した訳じゃないけど、妙な気持ちになるのは確かだった


女としての魅力が、どうのこうのと言われそうだが、助かったからそれでいい


意識なしに強ばっていた体に、柔軟性を与えた

簡単に言えば、緊張をほぐす


息を深く吸っていれば、くすりと笑う声が聞こえた


「何もしないから……。だから、このまま寝かしてくれないか」



膝枕している時点で、『何かをしている』のだが、断る権利はない為、私は頷いた


仰向けの体が、横を向く


顔をこちらに向けた状態


……かなり、危ないような気がする姿勢だ


ドキドキと胸が鳴るも、涼しげな顔から目が離せなかった


安心しきったその聡明な顔


安心しているのは、きっと、私を信頼しているから


恐らくは、ここで私が彼の首を締めようとも、快く受け入れそうだ


……『一緒に』と、私も道連れになるだろうけど


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