ハッピークライシス
「ッかは…、」
このままでは、首の骨がへし折られる。
身体を宙に浮かせ、そのままユエを蹴り飛ばそうとすれば、ユエは平然とシホを地面へと叩きつけた。
喉が開き、急激に流れ込む酸素に思わず咳き込む。打ちつけられた身体がぎしりと痛んだ。シホを見下ろすユエの手には、今しがたシホから奪い取った銃が握られていた。
「まさか、シホが追ってくるとは思わなかった」
「薬を盛ったのね。それだけの為に、あたしを外に連れ出したんだ」
「……朝まで目覚めない程度の量は盛ったのに、シホは薬が効きづらい体質なんだな」
ユエは、小さく肩を竦めた。