ハッピークライシス


「で、相談ってなんだよ」


面倒臭そうな顔でユエを見た。
シンシアのあからさまな様子に、ユエは肩を竦めながら"彼女のことだ"と呟いた。


「彼女?お前、付き合ってる女なんていたのか。彼女に同情するぜ」

「…違う。メテオラだ」

「メテオラ…?」

「"メテオラの乙女"」


シンシアは、ブッとエスプレッソを吹き出した。
ごほごほと咳き込むのを、ユエは黙って見つめている。

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